サンライズロボット研究所

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2022.01.25

“魔神”たちのデザインが生まれた経緯が明かされる!『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』トークショーレポート

1月7日(金)から始まった劇場にて3週間限定上映の特別編集版『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』。いよいよ最終週となった1月24日(月)には、スタッフトークショーの第2弾として、メカニカルデザインの新谷 学さん、BANDAI SPIRITS コレクターズ事業部の洲崎敦彦さん、プロデューサーの池谷浩臣さんによる作品と商品の企画についてのトークが繰り広げられました。

 

この記事では、グランドシネマサンシャイン 池袋で開催されたトークショーのレポートをお届けします。

 

 

 

今回はTwitterで一般の方から募集した多くの質問にゲストが答えていく形式となっており、魔神のデザインや商品・作品に関してなど様々な質問が届いていました。

 

まずは「製作にあたり、デザイン・玩具面・ストーリー・映画・小説・HJなどなどの展開の中で、これは本当にしっくり来た、みんな驚くだろうなと思ったエピソードがあれば聞きたいです。」という質問に、

 

新谷
「『七魂』の企画が始まったのは相当昔で、今回バンダイさんから小さいスケールの商品をやりたい、なるべく安く作りたいという要望がありました。その時まだバンダイでは『ワタル』関連の商品がまだあまり出ていなかったんです。本作では7体の龍神丸が登場しますが、7種類もキャラクター分けするのは難しいよと話していて。いっそ戦神丸や幻神丸を龍神丸にしてしまうのはどうか?っていうのをふと思いついて打ち合わせで言ってみました。で、試しにやってみたら、戦神丸って頭から直接手が生えていて体がないんですけど、あそこに胸部分乗っけたら何とかならないかな~と思っていたら意外としっくりきたんですよ。あとキャラクターの“サムライ”っていうのもピタッと合ってくれたので、しっくりきてよかったと思いました。」


と、龍戦丸の誕生秘話を語ってもらいました。

 

 

 
▲メカニカルデザイン・新谷 学さん

 

 

洲崎
「BANDAI SPIRITS
としては、やはり『ワタル』の“玩具”をやりたいっていうのは素直にありました。私が子供の頃にリアルタイムで『ワタル』を毎週楽しみにドキドキしながら見ていたので、せっかくならその頃のドキドキした気持ちを形にできればいいなと思ったときに、最初は七色の龍神丸、当時の玩具の七色のイメージとか虹のイメージとかで龍神丸が7体いたら会社にも企画が通しやすい、という会話をしていたのがスタートでした。」

 

池谷
「ちょっと思い出したことがありまして。龍蒼丸なんですが……制作していたスタジオで勝手に青一色に塗ったバージョンを作ってました(笑)。七色という話だったので、もう白とか入れるのやめて青一色にしてもいいのではと思い、青系統で塗り分けたのですが、『ちょっとやりすぎです』と。いけると思ったんですがダメでしたね。」

 

と驚きのエピソードや、他にも“龍神丸”を立体化するにあたっての『METAL BUILD DRAGON SCALE』と『NXEDGESTYLE』での制作にあたってのお話も聞かせてもらえました。

 

 
▲『METAL BUILD DRAGON SCALE 龍神丸』

 

 
▲『NXEDGESTYLE 剣王龍神丸&龍神丸』

 

 

次に「龍蒼丸はツノが1本、龍戦丸が2本とツノが増えていることに気づきました。7体の魔神に一貫して何か隠している要素はあるのでしょうか?」という質問では、

 

新谷
「新しい龍神丸を作るってなったときに、今までのシリーズとは明確に違うものを付けたいと考えました。ただ、それにおいて“龍神丸”であることは外したくないっていうのはありました。そこで、本作で龍神丸がいなくなるんだったら勾玉がなくなるんだろうと思って、その勾玉を取っちゃったんですよね。代わりにすべての龍神丸の肩にいる龍に玉を咥えさせるっていう要素を追加しました。あと、“和”テイストをもっと明確にしたかったというのもあって、龍神丸はすべて腹部に玉がついているんですが、その玉を龍の三本爪で掴むようなデザインにしました。そのモチーフを最初に考えていたので、最後の煌龍丸のときにそれを一番大きくしたっていうところになります。」

と、本作でのメカデザインにおける重要なポイントが明かされました。

 

 他にも「配信本編でまさかの登場が初の情報公開となり、同タイミングのCMで予約を開始するというファンとしては“買う”以外の選択肢が思いつかなかった虎王様専用機『白虎丸』ですが、この機体の誕生経緯をぜひお聞かせください。」という、虎王の新魔神に関する質問では、

 

池谷
「シナリオ会議の中で私が言い出したのか神志那監督が言い出したのかはわからないのですが、世間でいう“ダブルライダー”的な展開や見せ方も燃えるなぁと思ったところもあったり、BANDAI SPIRITSさんからの要望などもいろいろありまして、『じゃあやりましょう!』っていうブーストがかかった感はありましたね。」

 

洲崎
「元々の話で言うと、邪虎丸って素敵なメカだから、それに龍神丸を掛け算したときに特別なものになってほしいっていう思いが僕らBANDAI SPIRITS側にもあって。そうなったときに龍神丸と邪虎丸それぞれのフェイスデザインで新谷さんに起こしてもらっていたので、設定上は2つ顔がありました。」

 

新谷
「わりと難しかったんです。打ち合わせの時にいきなりあれを龍に変形させようとして『ならない!』となって、龍と虎の両方の顔を用意するかという話になりました。神志那監督と池谷さんがそんな話をされてるときに、『そんなこともあろうかと思って。』と言って一度ボツ案になったデザインを出した覚えがあります。」

 

洲崎
「すでに七魂の龍神丸っていうことで7体見せてしまってるから、ここから驚きがないのはと思っていた中で『白虎丸』の提案を頂いたので、これなら7体以外にもう1体出るんだという驚きを与えられると思いまして。きっと見てる方を楽しませることができると思って白虎丸に関するページや情報などいろいろなものを急いで準備しました。」


と、デザイン決定までの経緯を回答。一度はボツになっていた白虎丸のデザインの敗者復活ストーリーを聞くことができました。

 

 
▲BANDAI SPIRITS コレクターズ事業部・洲崎敦彦さん

 

 

続いては、「アニメであまり見せられなかったなっていうイチオシの魔神のギミックや武器を教えて下さい。」という質問に、

 

新谷
「ギミックに関してはわりと映像で出していただいてました。ひとつだけやれなかったのがありまして、『龍激丸』は本当は腕をしまって飛行形態になることで『空神丸』っぽいデザインにしたかったのですが、そこが劇場映像ではお見せできなかったところになります。あとは白虎丸と龍虎丸の剣と盾が、虎の顔と龍の顔になるっていう細かい設定がイマイチわかりづらかったかなというところです。」

 

洲崎
「『龍蒼丸』を最初に作ったんですけど、あの時はまだ手探りで。実は初期よりいろんなところのデザインが変わっているんです。尺がもう少しあればそういったところも見せられると思いましたが、限られた時間の中であれだけ縦横無尽に動かしてもらえれば十分でしたし、結果、龍蒼丸は空を飛ぶ魔神ということがはっきりしてよかったと思います。」


と、回答。映像では見られなかったものの、細かな設定や意匠がちりばめられていることが明かされました。

 

そして最後に「たくさんの新しい魔神が登場しましたが、“七魂”の中で一番のお気に入りはどの子ですか?」という質問では、

 

新谷
「龍神丸で言えば、やはり『煌龍丸』です。楽しくデザインできました。ただ実は『ワタル』で一番やりたかったのは敵メカなんです。虚閃角がすごく楽しくって。あれって邪戦角と黒龍角を混ぜてっていう設定だと思われていますが、実はあと2体混ざってるというイメージ設定だったんです。それは、“龍の角”と“戦の角”がいるならば、“空の角”と“幻の角”がいるであろうと。そんな仮想の魔神を四天王として、それを混ぜたものが一番強いラスボスとして登場する。そのなかでも邪戦角は商品化の予定があったので、邪戦角をベースに何とかできないかなとは思ってました。」

 

洲崎
「どれも好きなんですが龍蒼丸と白虎丸かなと思ってて。龍蒼丸は最初からずっと見てたので愛着が湧きました。白虎丸は話の流れも含めてすごくエモーショナルで、すごく好きです。スケッチだけ一部公開しましたが、『DRAGON SCALE
の方でもやる気満々ですので、そこまでちゃんと歩いていくことができたらみなさんに「頑張った!」と思っていただけたらと思います。」

 

池谷
「7体並べてみたときに存在が明確だなって思うので、僕は幻龍丸になります。見た目通りのキャラクターなので。まぁ僕が忍者好きっていうのもあるんですけど(笑)。ただ本作では先程新谷さんも話されてましたが、敵メカもたくさん登場させることができたのは“七魂”のいいとこだったと思います。」


と、各々が好きであったり、思い入れがあったりする魔神について話してもらいました。

 


▲プロデューサー・池谷浩臣さん

 

 

質問コーナーが終わると、なんと今回の上映会ではサプライズが!
くじで引いた座席番号の方に、なんと『-再会-』のB2ポスターがプレゼントされました。

 

最後に、ゲストのみなさまから

 

洲崎
「企画が上がっていた2018年から、何の媒体で何をやろうかと色々考えていましたが、そこから現在、みなさんにお披露目できて劇場公開まで池谷さんたちに頑張っていただいて、とてもありがたいなと思っているのと、みなさんの喜びのコメントを見て僕らもすごくうれしい気持ちです。引き続き商品面ですが『ワタル』を盛り上げていきたいので、これからもよろしくお願いいたします。」

 

新谷
「本来僕は玩具の企画をする仕事をやっていたのですが、『ワタル』の企画に誘われて一緒にやってるうちにデザインまでやってって言われて。ただ、僕もすごく『ワタル』が好きで昔から龍神丸の模写もずっとやっていたので、『ワタルできるかも!』というのと『ワタルやっていいの?』という気持ちでここまできました。ですのでみなさんに喜んでもらえるものを作れたってことがすごくありがたいしうれしいです。」

 

池谷
「久々に新谷さんや洲崎さんとお話しさせていただいていろいろ思い出すこともありまして。そういえば30周年の時はビジュアル出しただけで終わってたなぁとか。まぁそこからゆっくりと動き出してきた企画ではあるのですが、その時からの洲崎さんたちの“ワタル愛”が形になっていろんな人を動かしたからこそできた企画でもありますね。もちろん、『ワタル』を愛し続けていただいたみなさんの応援があってこその『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』だったと思います。様々なメディアでも展開があり、今回の上映で、このプロジェクトは一旦大団円だと思います。いろいろできて楽しかったです。本当にありがとうございました。」

 

というメッセージをもらい、『ワタル』シリーズへの愛と支えてくれたファンへの感謝が伝わってきました。

 

 

『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』は1月27日まで全国34館にて上映中。みなさんもぜひ劇場に足を運んで大スクリーンで「ワタル」や「虎王」たちと“再会”してみてください。 


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『魔神英雄伝ワタル 七魂の龍神丸 -再会-』スタッフトークショー 
[開催日]2022年1月24日(月) 
[会場]池袋 グランドシネマサンシャイン