第19回「トライダーG7」
◆搭乗は足先からという合理的構造
宇宙の何でも屋を自認する竹尾ゼネラルカンパニーが保有する巨大ロボット、トライダーG7はその全長が57メートルである。わかりやすくガンダム換算するとRX-78ガンダムのおよそ3倍、プロペラントタンクを除いたα・アジールと同じくらいのサイズだ。そんな巨大サイズの人型メカに地上で乗り込む場合、操縦席が体のどこにあろうともかなりの工夫が必要となる。これまでの多くのロボットアニメの場合、コックピット位置までパイロットを移送する設備(秘密基地)や専用の搬送機構が用意されていることが多かった。だが竹尾ゼネラルカンパニーはいわゆる零細企業であり、公園の地下にある格納庫も整備が主体の限られた設備でしかない。さらにここは宇宙空間ではなく重力のある地球上で、トライダーG7は立った状態で格納されているのである(格納庫の土地が狭いために横倒しにはできなかったのだろう)。こうした物語上の制約や舞台設定を活かしつつ、毎回カッコ良くロボットに搭乗するためにどうすべきか、その答えのひとつとして導き出されたのが、ロボットの足から機体内部に乗り込んで頭まで移動するという方式だった。
トライダーG7およびトライダーホークの内部図解。頭部にコックピットが配置されているのがわかる。トライダーはいくつかの形態へと変形可能だが、基本的にコックピットが頭部から移動することはない。(※当時の内部図解〔透視図〕には、トライダーコスミック時のコックピットが足先にあるよう表記されているため、「内部図解:トライダーG7のひみつ」の研究考察ではそちらを尊重した報告をしている。)
地上にある社屋から地下へとエレベーターで移動すると、地下格納庫にはトライダーG7が屹立している。このつま先部分に機体内部への入口が設置されており、社長兼専属パイロットの竹尾ワッ太はここからトライダーG7へと乗り込む。
トライダーG7のつま先部分から乗り込むと奥にはコックピットシートがあり、機体内を移動するレールに接続されている。エレベーターからこのシートまでの区間はワッ太の自走による移動となっている。
トライダーG7内部での移動経路を示した詳細図。1から5まで段階がある。つま先から乗り込んだワッ太はコックピットシートに座り、そのままレールで移送される。脚から腰へと到達するとシートは腰部を伝わって胴体(脊椎)へと移動、一気に頭部まで上昇する。コックピットはトライダーG7の頭部内に設置されており、変形形態によって向きが変化するものの位置自体は変わらない。
コックピット内部の詳細図。巨体のわりにタイトな設計で、完全な一人乗りの設計のようだ。設計者はまさか小学生が搭乗して運用するとは思っておらず、レバーやシートなどは標準的な大人サイズである。そのため非力なワッ太はレバー操作に両手を使う場面が見られ、操縦するには相応のハンディキャップがあったことが伺える。また一部武装が追加された際にはコックピット内部の操作パネルにも変更が加えられ、新しい操作パネルが追加された(右下)。
トライダーG7の格納庫の地上部分は公園になっており、発進前は頭部が露出した状態で格納されている。会社からの発信アナウンスによって地域住民は公園内から速やかに退避し、公園が分割されるとトライダーG7が発進可能となる。発進後、空白となった頭部部分の穴は噴水で代用されて塞がれる。
◆出張所的なサポートメカのコックピット
トライダーG7にはサポートメカとしてトライダー・シャトルがある。トライダーとの合体機構を持ち、独自の武装も備える。竹尾ゼネラルカンパニーの専務を始めとする社員一同が搭乗し、資材の運搬から救助活動のための拠点としても利用される。特に火星など長距離移動の際には社員たちの生活の場としても活用され、食事や風呂などの福利厚生施設としての機能まで持たされている。
トライダー・シャトル。竹尾ゼネラルカンパニーの専務を始めとする社員たちが搭乗し、運用するサポートメカである。トライカプセルという呼称もあるようだ。戦闘によって大破した後に、大幅に改修されたトライダー・ニューシャトルでは、大気圏内での単独飛行も可能となった。
トライダー・シャトルのコックピット設定画。操縦・戦闘はもちろんだが船内キャビンは生活空間としても活用され、社員同士での食事や歓談などでも使われていた。ミサイルなどの消耗品に関して当初は一発あたりの単価計算まで厳しく管理されていたが、大口依頼主である防衛省に武器も必要経費として認められてからは容赦なく消費するようになった。
◆トライダーG7のコックピット総論
別のメカが合体変形することでロボットになるわけではない、ある意味ではダイターン3と同様の機構を持つトライダーG7は、ダイターン3とは異なりコックピット自体ではなく乗り込み方にギミックを持たせることである種の魅力を表現することに成功している。つまりいわゆる発進シークエンスと主人公パイロットの乗り込みを融合させることで、商品としての巨大ロボットの魅力を描くという意味である。機体内部をシートごと移動することで緻密な内部機構を見せつつ、その巨大感を感じさせることに成功している。複雑な移動工程を経て頭部コックピットへ到達したトライダーG7は、埋没していた公園から姿を現すと大空へと発進してゆくのだ。こうした一連のギミックは巨大ロボットへ乗り込む際に必要な儀式だし、ある種のお約束でもあるのだが、その積み重ねがロボットそのものの魅力として認識されていくものである。どこにでもある公園に頭部だけ露出して格納された巨大ロボットと、それに搭乗して活躍する小学生男子。それに乗り込むには一度地下へと降りて、ロボットのつま先から頭部へと再び登らなければならないという理不尽な搭乗シークエンス。これらはすべて、視聴者である子供たちのために用意されたサービスシーンではあるものの、今になってみればこの場面以外はほぼ記憶に残っていないというほど強烈な印象を当時の子供たちに植え付けた名シーンでもあるのだ。
◇次回予告
短期集中スーパーロボット編のラストは、星間国家を統治するエドン国の若き王子が操る最強ロボ ダイオージャ。3体のロボットが変形して巨大ロボットへ合体。そのコックピットについて研究考察。また個性豊かな敵メカのコックピットにもスポットを当ててみよう。
※参考資料
無敵ロボ トライダーG7 オフィシャルサイト
https://www.sunrise-inc.co.jp/trider-g7/
プレミアムバンダイ サンライズストア
https://p-bandai.jp/sunrise-store/?srsltid=AfmBOoryptROL3YPtljiWysJUMJJHfKv-fCXZ63PoEQ1VWrOE86GjaA6
調査研究局「内部図解」ドライダーG7のひみつ はこちらから
https://roboken.sunrise-world.net/laboratory/detail/?id=9707
〇サンライズ50周年
https://www.sunrise-inc.co.jp/50th/











