調査研究局

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RESEARCH & INVESTIGATION DEPARTMENT

映像や設定資料を紐解いた研究成果や、作品をより深く理解できる研究記事を公開しています。

NEW サンライスロボット研究報告:コックピット編 第22回「コンバットアーマー」後編(『太陽の牙ダグラム』より)

第22回「コンバットアーマー」後編

 

 

 

 

◆ダグラム以外のコックピット(第一世代)

 第一世代のコンバットアーマーといえば戦車に足を生やしたような多脚砲台を指しており、こうした機体のコックピットも当然ながら戦車の延長戦上にあるようなデザインとなっている。ただし二足歩行のコンバットアーマーとは異なり、コックピット内部そのものが広く、操縦席というよりはキャビン的な役割も持たされている点にも留意したい。複数人が乗り込むこともあって、ある程度の居住性が必要だったという事情もあるのだろう。

 

 

多足歩行タイプのコンバットアーマーの代表格であるアビテート社のクラブガンナー、デザートガンナーのカラー設定画とコックピット内部の詳細設定。従来の戦車の砲塔と車体内部を合わせたような構造をしており、ある程度の居住性を備えている。コックピットは機体における砲塔部分の下に位置する。

 

 

◆ダグラム以外のコックピット(第二世代以降)

 二足歩行の人型コンバットアーマーが普及した第二世代以降のコックピットは、基本的に頭部全体がキャノピーで覆われたタイプが普及している。単座式の場合はダグラムと同様にキャノピータイプが多くなるが、ブロックヘッド以降は複座式も多く採用され、コックピットの構造にも変化が生じている。複座型は多くが座席が上下に位置するタイプで、操縦手と射撃手に分かれる。

 また、頭部の近くに副兵装を搭載することが多いが、ここに被弾すると高確率で誘爆するため、パイロットへの被害を軽減する目的からもアイアンフットのように機体の片側にコックピット位置を変更して兵装との距離を離すような機体も登場した。

 

 

 

 

 

 

上から開発順に、ニコラエフ、ブッシュマン、ブロックヘッド、アイアンフット(ヘイスティ)、ビッグフットのカラー設定画とコックピットの詳細設定。現代における戦闘用ヘリコプターのキャノピーに類似した外観デザインが採用され、有視界戦闘における優位性と被弾面積の最小化のせめぎ合いが見て取れる。パイロットと射撃手が分かれた複座式を採用する機種も多く、アイアンフット(ヘイスティ)のように機体中央ではなく機体右側に寄っている左右非対称のデザインが採用されることもあった。

 

 

◆コンバットアーマーのコックピット総論

 コンバットアーマーのコックピットで特筆すべき点はふたつある。

 ひとつはその機体サイズにおけるコックピットの比率である。全高10メートル程度の人型兵器の頭部のほぼすべてをコックピットが占有するという機体サイズは、つまり実在する現用兵器とほぼ同じ感覚で扱えることを意味する。最も有名であろう人型兵器のモビルスーツの全高が20メートル前後であることを考えると、その半分のサイズというのは「実際にあり得そう」という感覚になりやすい。有視界戦闘という大きな制約ですら、現用の陸戦兵器として考えれば大した問題とも思えずすんなり受け入れられることにもつながっているのではないだろうか。さらに内部のデザインも攻撃ヘリなどから進化したような構造となっている点も、身近なリアリティを感じさせる要因のひとつと考えられる。

 ふたつめはその解放感というか、乗り降りの気軽さである。コンバットアーマーは陸戦限定兵器のため宇宙空間のような極限環境に配慮する必要はない。水中にすら対応していないため気密性も考えられていないし、超音速で飛行する現代の戦闘機以下の密閉度だろうと想像するとその気軽さが想像できる。連邦軍の正規兵はともかく、クリン・カシムはゲリラ兵であり、その服装も肌の露出が多く軽装である。こんな格好で乗れるロボット兵器なのかという違和感を視聴者に持たせず、しかもそれが却ってリアルに思えるというのは世界観とデザインが完璧にかみ合った結果であろうと思えるのだ。

 また、機体サイズが小さいためロボットと登場人物が絡むシーンも多く、同一画面内に収まりやすいという演出上の利点もある。こうした視点は後の『聖戦士ダンバイン』におけるオーラバトラーや、『装甲騎兵ボトムズ』におけるアーマードトルーパーの機体サイズがさらに小さくなっていったことからも大きな影響力があったことは想像に難くない。機体サイズ問題はロボットアニメにとっては常に付きまとう問題であるが、技術が進んだことで20メートルの人型兵器を受け入れられるようになったとはいえ(お台場に実物大ガンダム立像ができたこともかなり大きい理由のひとつだが)、実際に運用するとなるとコンバットアーマーくらいのサイズ感、操縦性、そして頭部に乗り込むコックピット構造が最適なのではないかと感じられるのである。

 

 

 

 

 

 

◇次回予告

次回からは『蒼き流星SPTレイズナー』に登場する人型ロボット「SPT(スーパー・パワード・トレーサー)」を前後編でお届けします!

「僕の名はエイジ。地球は狙われている!」

 

 

※参考資料

 

■太陽の牙ダグラム オフィシャルサイト

https://www.dougram.net/

基本です。本作品に関するすべての情報はこちらからどうぞ。

 

■バンダイ魂ウェブ 太陽の牙ダグラム商品一覧

https://tamashiiweb.com/item_character/dougram/#

ダグラム関連商品を集めてみました。

※限定販売品など現在では受注していない場合もありますのでご注意ください

 

サンライズ スピリッツ HI-METAL R  太陽の牙ダグラム

サンライズワールド他、SUNRISE SPIRITS 販売店舗にて販売中。

https://tamashiiweb.com/store/tokyo/items/detail/Dougram.html

 

 

■グッドスマイルカンパニー ダグラム関連商品一覧

ダグラムを始めとする各機種を豊富にラインアップするグッドスマイルカンパニーのプラモデルシリーズ。同スケールのフィギュアもキット化されており、劇中の人間ドラマが再現できる。

https://www.goodsmile.info/ja/product-list?ids=9949-11543-4275-11098-9012-9666-10289-4497-4648-5158-5623-6072-6744-6979-7566-10777-6378-7954-6073-6168-5293

 

 

〇サンライズ50周年プロジェクト

https://www.sunrise-inc.co.jp/50th/