サンライズロボット研究報告:コックピット編 第1回「フリッカ(前編)」(『重戦機エルガイム』より )
サンライズロボット研究所内で行われている研究成果をお届けするこの指南講座、今回からはサンライズロボットアニメに登場するのロボットの『コックピット』に着眼点を置いた研究レポートをお届けします!
第1回は『重戦機エルガイム』より、主人公メカ「へービーメタル エルガイム」にドッキングするスパイラルフロー 「フリッカ」(前編)のレポートを新規描き下ろしイラストとともにお楽しみください!
◆ヤーマン族の独自技術、スパイラルフロー・システムの謎
ヘビーメタルのコックピットとなる操縦席には、その多くの場合において脱出装置としての機能が備えられている。しかしそれはあくまでも簡易的なもので、破壊された機体からパイロットの座るシートだけが脱出できればいいという程度のものでしかない。
その一方で、ヤーマン族が独自技術として開発していたのがこのスパイラルフロー・システムである。これは脱出コックピットというよりは耐G、耐衝撃機能、広い周囲視界の確保などを追求した結果生まれたようなもので、ヘビーメタルの操縦機能を持たせたエアバイク(=フロッサー)を機体と合体することでコックピットとなる。独立した乗物であるエアバイクを機体内部で半ば浮遊した状態にすることで、想定していた耐G性能などを満たすことに成功したというシステムであるとも言える。
だがその一方で、ヤーマン族が開発したヘビーメタル「ガイラム」にはこのスパイラルフロー・システムは搭載されておらず、どうしてエルガイムに搭載されたこれがヤーマン族独自の技術なのかは不明のままであるが、ほかにこれを採用した例がないことからヤーマン族独自技術ということなのだとも考えられる。ただ、ガイラムに大幅な改良(量産化のためのデチューンも含め)を加えたダバ・ハッサーによるものだと仮定した場合、それが本当にヤーマン族独自技術と言えるのかどうかについては、やや疑問が残るのも事実だ。
◆フリッカの特徴
スパイラルフロー フリッカは、フロッサー形態から変形することでエルガイムのコックピットとなる。このシステムの最大の特徴は、日常生活においてはエアバイクとして活用できる点であり、実際、主な搭乗者であるダバ・マイロードは移動手段として利用しているシーンが多く見られる。もちろん、緊急時における脱出コックピットとしての機能もあり、普段使いに便利なバイクなだけではないのは言うまでもない。
ヘビーメタルでの戦闘は有視界戦闘が主となるため、従来の機体のようにモニター表示を採用したコックピットの場合、それが非常に限られたものになるのが欠点でもあった。スパイラルフロー・システムではその視界を周囲270度まで広げることに成功しており、それはフリッカ(=コックピット)の上面をパイロットの頭部ごとモニターで覆うという奇抜な発想から生まれている。
多くの場合で誤解されているが、エルガイム本体側に全天周囲モニターが搭載されているのではなく、本体には前面のモニターしか装備されていない。パイロットの視界により近い距離にあるフリッカのモニターに多くの情報が表示されることで操縦者と機体の一体感が増すだけでなく、視界から得られる情報量も増えるというのが最大の特徴となっているのだ。
◆フリッカの変形
フリッカの変形過程で注目すべきは、シート位置がバイク形態とコックピット形態で高さが変化する点と、バイク操縦用のグリップは格納されて、エルガイム操縦用のグリップ類が別に展開する点にある。特にサイドから補助グリップが出現し、フットペダルは位置を変えてそのまま機能を維持するところに合理性を感じる。
また、天面をコンソールが覆うことで表示できる視界が広くなるという画期的なシステムは、なるほどこれがヤーマン族の独自技術なのかと感心させられる斬新な発想である。
第2回 スパイラルフロー 「フリッカ」(後編)へ続く
重戦機エルガイム オフィシャルサイト
本作品に関するすべての情報はこちらからどうぞ。