サンライズロボット研究報告：コックピット編　第13回「メタルアーマー」①（『機甲戦記ドラグナー』より）

■指南講座 2025.11.21

第13回「メタルアーマー」①

◆全機種共通となるコックピット構造

　メタルアーマーとはそもそも、ギガノス帝国が開発した人型機動兵器である。それがD兵器（ドラグナー）として地球連合軍にもたらされたわけだが、そこから発展したドラグーンも基本的にはギガノスの機体と同じ技術体系の中に存在していると言ってもいいだろう。そうした共通性はコックピットに顕著に表れており、脱出装置を兼ねたポッド・システムはその構造が地球連合軍とギガノス帝国軍の全機種で共通している。

　メタルアーマーのコックピットは多くが胸部に位置しており、強固な胸部装甲によって守られる。被弾面積としては大きい部位ではあるが、ムーバブル・フレーム構造を採用しているメタルアーマーの基本構造を考えると合理的な配置と言える。ポッド・システムの外観は円筒形であり、機体の横（わきの下）から本体へと挿入される。この円筒部分はレスキューポッドとも呼ばれ、脱出しなければならない状況下では自動的に機体外へと排出される仕組みとなっている。

D兵器共通ムーバブル・フレーム：企画時当初に描かれたイメージイラスト

ムーバブル・フレーム設定。ポッドは機体の左脇腹から横方向に挿入される。乗り込む際は与圧室から連結されたパイプを滑り降りて機体内部へと挿入される。

◆メタルアーマーへの乗り込み方

　メタルアーマーの待機時、ポッド・システムは機体左側にスライドした状態で専用チューブに接続されている。このチューブは与圧室からポッド内への移動手段として使われる。パイロットが乗り込むとポッドは機体内に収納され、円筒の中央部に開いた入口から胴体内にあるコックピットへと移動する。この出入口はシートによってパイロットの背後からふさがれる仕組みとなっている。

　メタルアーマーは宇宙空間での運用を基本とするため、本来であればパイロットへの与圧など様々な事前準備が必要となる。こうしたリアルな考証を取り入れた描写が、本作の隠れた魅力のひとつでもある。地上での運用時はポッド側面ハッチから足場（タラップ）が伸縮するようにデザインされており、18メートルの機体が直立した状態でもパイロットの搭乗を可能としていた。

ポッド・システムの詳細設定。側面ハッチには地上運用などを想定した乗降用タラップが設置されているのがわかる。コックピット内部はドラグナー３機種とも共通だが、D-３のみコンソールパネルのデザインが異なる。コックピット内部のデザインは従来作品に見られるよりも航空機に近いイメージとなり、操縦席としてのリアリティが増している。

◇次回予告

メタルアーマーの第2回は、あの懐かしいコックピットイラストとともに、当時は斬新でリアリティーを追及していた「パイロットスーツ」の研究考察をお届けします。

※参考資料

機甲戦記ドラグナーオフィシャルサイト

https://www.dragonar.net/

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