第15回「メタルアーマー」③
◆ドラグナーの操縦方法
ドラグナーのコックピットはボタンやレバー、スロットル、モニターなどが詳細に描かれているが、これらにはすべて意味がある。意味があるというのはつまり、機能を想定して描かれているということだ。詳細については下図を参照いただきたいのだが、実際に人型ロボット兵器を操縦する場合にどういった操作が必要なのか、どんな機能が必要なのかということを緻密に考慮してデザインされていることがわかる。『機動戦士ガンダム』(1979年)で描かれたコックピット内部から比較すると過剰なほどの描写とも思えるが、こうしたリアリティの追求を積み重ねることで魅力を増していったのがこの時代のロボットアニメの特徴でもある。それこそがいわゆるリアルロボットと呼ばれる所以でもあろう。
操縦システム コンソール類
①通信用、情報ディスプレイ(通常、時計表示)
②メインモニター
③左後方モニター
④右後方モニター
⑤左側面モニター
⑥右側面モニター
⑦マルチディスプレイA
⑧マルチディスプレイB
⑨速度・加速度計
⑩水平計・機体姿勢計
⑪駆動力・推力計
⑫兵装関係チェックパネル
⑬機体チェックパネル
⑭左スピーカー(通信用)
⑮右スピーカー(通信用)
⑯左ハイレンジスピーカー(外部音用)
⑰右ハイレンジスピーカー(外部音用)
⑱通信用カメラ
⑲左スティック(シフト、トリガー)
⑳右スティック(シフト、トリガー)
㉑左フットペダル(ブレーキ、逆噴射用)
㉒右フットペダル(スロットル)
㉓スロットル
㉔パワーシフトレバー
㉕IFF(敵味方識別装置)制御パネル
㉖通信制御パネル
㉗EPU(緊急動力装置)制御パネル
㉘トリムパネル
㉙シートアジャスター
㉚レーダー管制パネル
㉛生命維持装置制御パネル
㉜自動操縦装置コントローラー
㉝エアコンノズル
㉞耐衝パッド
㉟緊急脱出レバー
㊱ポケット
㊲ディスプレイコントローラー
ドラグナー3機種共通のコックピット(D-3のみコンソールに違いがある。)は、モビルスーツなどほかのロボット兵器と比較してもコックピット内部は若干広く、操作系のレバーやスイッチなどが詳細に設定されていた。さらに操作系にAI(人工知能)が補佐するように設定されていることもあり、実際の戦闘機などのビジュアルをベースにしつつも複雑な機動を実現できるという根拠としてこれだけの詳細な設定画が必要だったのだろう。
◆OP映像の↑←↑は何をやっていたのか⁉
ここで気になるのが㉔パワーシフトレバーである。OP映像でも印象的に描かれていたこのパーツ、↑←↑という特徴的な動きが音源とマッチしていて誰しも記憶の中に残っていることと思う。しかし、あのレバー操作は一体何なのか。
このパワーシフトレバーは推力・関節駆動力のパワー配分を行う装置で、要するに細かい作業をするときと戦闘をするときとでは出力に大きな差があるため、切り替え装置として機能するものである。
6個に分岐したパワーシフトレバーは上段左上から1:マニュピレータ・モード、2:戦闘Aモード、3:戦闘Bモード、下段左下から4:戦闘Cモード、5:キャバリアー・モード、6:整備モードとなっている。
(出典:B-CLUB SPECIAL ドラグナー オフィシャル ドキュメント)
OP映像ではパワーシフトレバーを右下の6:整備モードから2:戦闘モードAに操作しているのが確認できる。つまり、空母から発進するドラグナー1は、整備モードに入っていたパワーシフトを戦闘モードAに切り替え、フルパワーが発揮できる状態にしてカタパルト射出に備えていたのだ。さらに㉓スロットルを全開にすることで、カタパルト射出に加えて機体の全推力を使って飛び立つという描写だったことがわかる。
オープニング映像 パワーシフトレバー操作
◆ドラグナーのモニターディスプレイ
操作系の装置だけでなく、モニター上に表示されるビジュアルもまた細かく設定されている。現在では当然の感覚に見えるデジタル表示だが、当時は斬新なビジュアルでもあった。アメリカ映画である『トップガン』(1986年)で広く知られるようになった戦闘機の照準表示(設定画内ではレティクルと表記されている)がいち早く取り入れられ、この表示が敵機を追尾するなど戦闘シーンに新しい緊張感が表現されることになった。
ドラグナーのディスプレイ表示についての設定画。コックピット前面に配置されたメインモニターに表示される照準などのグラフィックやその意味について、詳細に設定されている。右下の設定画はD兵器の起動ディスクで、これを偶然から入手したケーン・ワカバたちはドラグナーの専属パイロットとして生体登録されることになった。本作品の制作当時はフロッピーディスク(磁気ディスク)が一般的だったため、ディスク自体も比較的大きなサイズ感でのビジュアル化となっているのも興味深い。
◇次回予告
メタルアーマー研究考察の最後は、AIによる操縦サポートシステム、そして進化した最強・最終メタルアーマー"ギルガザムネ”に採用された「脳波コントロールシステム」についても研究していきたい。
第16回「メタルアーマー」④ はこちらから
https://roboken.sunrise-world.net/laboratory/detail/?id=9696
※参考資料
機甲戦記ドラグナー オフィシャルサイト
本作品に関するすべての情報はこちらからどうぞ。
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魂ウェブ 機甲戦記ドラグナー
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