サンライズロボット研究所

指南講座
2025.10.03

サンライズロボット研究報告:コックピット編 第11回「OVA版オーラ・バトラー」(『聖戦士ダンバイン』より)

第11回「OVA版 オーラ・バトラー」

 

 

◆700年経っても動くオーラ・バトラー

 オーラ・バトラーとは、バイストン・ウェル世界で開発された異形の巨人騎士であり、その機体には強獣の外殻や甲羅、神経系統や筋肉組織などが応用されている。こうしたオーラ・バトラーの開発過程については本研究所の↓こちらの記事が詳しいので参照していただきたい。

https://roboken.sunrise-world.net/laboratory/detail.php?id=9492

 

 

 さて、この講座ではオーラ・バトラーのコックピットに焦点を絞って論を展開しているが、後半となる本稿では地上世界からオーラ・バトラーが一掃された、あの大戦争の後の世界に存在するオーラ・バトラーについて研究していこう。

 オーラ・バトラーについての前提として、まず工業製品としての兵器であるという点を理解していただきたい。基本的には量産品であり、工業製品として生産ラインに乗せられる兵器がオーラ・バトラーの本来の姿である。しかしこれは量産するための設備や熟練した職人、作業員などがいてこその話であり、これらを維持管理できるほどの組織力や経済力を持った国家(あるいは領主)があってこその産物でもあった。エ・フェラリオの長ジャコバ・アオンによってバイストン・ウェルから地上世界へと排除されたオーラ・マシンとその使用者たちは、無事に再びバイストン・ウェルに戻ることはなかった。つまり、オーラ・マシンの歴史はそこで途絶えたことなり、ロストテクノロジーとなったはずだった。しかし、あの大戦から700年後、バイストン・ウェルは再びオーラ・バトラーの復活を目にすることとなる。

 先にも述べた通り、稼働していたオーラ・マシンとその搭乗者、使用者たちはほとんどが地上世界へとスッ飛ばされて帰ることはなかった(一部の残骸は戻ったが)。バイストン・ウェルに残された製造設備は使える人材がいなくなったことで意味をなさず、ほとんどが放置されて廃墟となった。しばらくの間はごく少数の残されたオーラ・バトラーが活動していたかもしれないが、やがてそれらも維持できずに姿を消していっただろう。こうしてバイストン・ウェルの人々の記憶の中にオーラバトラーの雄姿は残ったが、それが実際に空を駆けることは時の流れとともになくなったのである。

 

 ではオーラ・バトラーは絶滅したのか、と言えばそうではない。工業製品としてのそれは姿を消したが、残された数少ない職人によるハンドメイドに近い希少品としてのオーラ・バトラーは残されていた。サーバインとズワウスがまさにそれで、バランバランの民に伝えられた秘宝として保管されていたサーバインは、ダンバインタイプのオーラ・バトラーから発展したと思われる機体となっている。その外観は強獣の面影を強く残しており、各部の造形や意匠にも生態的な特徴が多く見られる。一方のズワウスはズワァースタイプをベースにショット・ウェポンが開発した機体で、元の機体にはなかった尻尾や巨大なオーラコンバーターに翼竜のような翼が追加された強化型とも言える。どちらも一般のコモン人では起動すらできず、聖戦士たるシオン・ザバ(かつてのショウ・ザマの転生した姿!?)や黒騎士ラバーン(バーン・バニングスの転生した姿!?)の誕生を待たねばならなかった。

 

 その外観もさることながらコックピット内部も大きく印象は異なり、特に特注製造であろうサーバインはシートではなく立ったまま操縦する方式へと変更されている。これは剣での戦闘を基本とするため、より実戦イメージを掴みやすくするための変更だとも考えられる。逆にズワウスのコックピットは、ズワァースのものをベースとして発展したような形状をしており、両者の誕生の経緯についても想像を巡らせることができるヒントになっているようにも思えるのだ。

 ここでまた余談なのだが、サーバインの操縦者を覆うようなコックピット構造は、後に『天空のエスカフローネ』(1996年)のガイメレフにおいて進化を遂げて登場している。オーラの力で意思伝達を行い機体操縦も可能なサーバインとは異なり、ガイメレフは機械仕掛けを極めた工芸品のようなロボットであり、操縦姿勢は似ていてもそのマシーンとしての本質は正反対というのは興味深い設定である。

 

サーバインのコックピット内は甲冑のような装置を前身に纏うようにして乗り込む。コックピット側面に配置されていたモニターは廃され、正面の胸部ハッチからの有視界のみとなっている。操縦桿なども極力排され、搭乗者と機体の一体感が強調されたデザインとなっている。

 

 

ズワウスは従来のパイロットシートタイプを採用しており、操縦者を覆うような構造になっている点はサーバインと同様である。右下の設定はズワァースのコックピットであるが、こうして比較するとオーラバトラーが工業製品であることが理解できると思う。

 

 

◇次回予告

第12回「もう一つのバイストン・ウェル」へ

 

 

 

※参考資料

『聖戦士ダンバイン』 オフィシャルサイト

http://www.dunbine.net/

本作品に関するすべての情報はこちらからどうぞ。

 

 

〇プレミアムバンダイ『聖戦士ダンバイン』関連商品ページ

https://p-bandai.jp/chara/c0138/?page=1&n=60&C5=AA&sort=1

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HG 1/72 トッドダンバイン
https://p-bandai.jp/hobby/special-1000018390/

HG 1/72 トカマクダンバイン
https://p-bandai.jp/hobby/special-1000017645/

HG 1/72 ダンバイン
https://p-bandai.jp/hobby/special-1000016307/

聖戦士ダンバインセット2
https://p-bandai.jp/hobby/special-1000018391/

聖戦士ダンバインセット1

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〇サンライズ スピリッツ(英雄たちの魂が集う場所)

ROBOT魂 <SIDE AB> ダンバイン

https://p-bandai.jp/item/item-1000204923/?source=rank&medium=C0138

 

 

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https://www.goodsmile.com/ja/product/1137968/PLAMAX+%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%B3

 

 

 

☆指南講座:ダンバイン編のこちらの連載記事もご参照ください。

https://roboken.sunrise-world.net/laboratory/detail.php?id=9470